薬局だより
高血圧と薬
薬局 薬剤師 菅生 亮太
「最近、血圧が高めになってきた」、「毎年の健康診断で、血圧の数値が高く指摘された」
このような経験をしたことのある人も多いのではないでしょうか?血圧が高い状態が続くと脳卒中や心疾患といった重大な病気の原因になる可能性がありますので、高血圧と血圧を下げる薬について、ご紹介します。
● 高血圧とは
高血圧かどうかの基準値は、収縮期血圧140以上もしくは拡張期血圧90以上です。
これ以上になると、脳梗塞等の発症リスクは2倍以上になります。また、正常血圧は130-85未満というのが一般的ですが、できれば120-80未満が望ましいとされています。140/90mmHg以上を高血圧とする基準は、脳卒中や心臓病を発生するリスクが2倍になることを根拠に定められた基準です。
● 血圧を下げる薬にはどんなものがあるの?
血圧を下げる薬にはいくつか種類がありますが、その中でも下図の4種類が主に治療で使用されています。
降圧薬は、種類によって血圧を下げる仕組みが異なり、その人の健康状態に合った降圧薬が選ばれて処方されています。
カルシウム拮抗薬
血管を広げて血圧を下げる
ACE・ARB阻害薬
血管を収縮させる体内の物質をブロックして血圧を下げる
利尿薬
血管から水分と塩分を抜いて、血液量を減らすことで血圧を下げる
β遮断薬
心臓の過剰な働きを抑えて血圧を下げる
● 高血圧治療の目的
長期間、血管に負担をかけ傷つける事は、脳卒中や心疾患を発症するリスクを高めます。
早く気づけるように日頃から健康意識を高め、血圧の管理をしておく事が大切です。質問などがありましたらお気軽に薬剤師までご相談ください。