認定看護師コラム
救急車の歴史
救急看護認定看護師 西谷 佳功
明けましておめでとうございます。
私は、2018年に救急看護認定看護師となり、外来の主に救急処置室で勤務させていただいております。
ところで、救急車の始まりは、19世紀初めナポレオン戦争でナポレオン軍の軍医長であったドミニク・ジャン・ラーレー(Dominique Jean Larrey)が考案したとされています。ラーレーは、軍救急部隊を編成し、迅速な治療を行うため、戦場から野戦病院に搬送するシステムを構築したとされています。当時の搬送手段は、馬やラクダを使用したもので、自動車が普及し始めた1920年以降に救急車は自動車が主な手段となってきました。
日本では、1931年(昭和6年)に日本赤十字社大阪支部が救急車を配備したのが最初の救急車とされています。当時の救急車の運営は、警察機構によるものでありました。1963年(昭和38年)に消防法が一部改正され、消防機関による救急業務が法制化されました。1991年(平成3年)には、救急救命士法の制定が行われ、救急車に救急救命士が搭乗するようになりました。また、現代の救急車は、AEDや医療機器など高度な医療機器を搭載する救急車が増えてきています。
さて、年々救急車出動件数は増加傾向にあり、2016年(平成28年)は約621万件で過去最多でした。救急車が現場に到着するまでの時間は、全国平均8.5分となっています。2025年には救急搬送件数はピークを迎え、救急車の現場到着時間もさらに延長すると見込まれています。
救急車が来るまで、自分たちでできることを行うためにも救命処置や応急処置の方法などを確認しておくことが大切だと思います。