認定看護師コラム
がん治療と食事
がん化学療法看護認定看護師 佐藤 あや
がん治療中の患者さんから食事に関する相談を受けることがよくあります。治療の時期によって、食事についての相談内容や対策は様々です。特に、化学療法治療中には悪心や嘔吐、口内炎の痛み、味覚障害などの副作用により食欲不振や食事量が低下したり、食の楽しみが減るなどの影響を及ぼしてしまうことが多くあります。吐き気や口内炎などは制吐剤や鎮痛剤で症状を緩和できることもありますが、味覚障害は、食事が苦みなどの不快な味に感じたり、全く味を感じなくなる期間が長く続いてしまい、楽しい食事も苦痛なものになってしまうことがあります。
そのようなときは
1. だしを濃いめにとったり、洋風料理ならバターや乳製品を使って旨みやコクをきかせる。
2. 酸味をきかせることで塩味の代役にする。柑橘類のしぼり汁も効果的。
3. 塩味や甘味、旨みは熱すぎても冷たすぎても感じにくいので、人肌くらいに冷まして食べてみる。
4. からしや、カレー、しょうが、梅など少量でアクセントになる香辛料や調味料を加えてみる。
5. 亜鉛不足が原因になることもあるので、亜鉛を多く含む食品(そば、レバー、卵黄、チーズ、ナッツ類等)を摂取する。
等の対策を紹介しています。
少量でも食事がおいしく摂れることで、元気になることもあります。口から食べることで、胃腸の働き、消化液の分泌、神経の活動など様々な機能が本来の働きを取り戻してきます。
がん治療中の食事に関する悩みや相談などありましたら、管理栄養士による栄養指導なども行っておりますので、医師や看護師にご相談下さい。