歯について
院長 松島 忠夫
私の歯は現在25本ある。古稀前の年ではこんなものでしょうか。40数年前、医師となり初めての5日間ほどの夏休みがとれた際に、群馬の実家のある町の歯科医院にいくことにした。虫歯で穴があきだしたのが数本あり気になっていた。私が子供の頃からある歯科医院があったが、いつも混んでいて治すのに日数がかかるといわれていた。その近くに歯科医院が新たに開業し、また早く治すとの評判があったので、そこに行った。奥歯(臼歯)の4つが虫歯になっていた。早速治療が始まり、ドリルで臼歯に大きな穴をあけ、詰め物をしてくれた。4ヶ所を連日でやってもらった。週が開けて仕事に戻った。数日して、食事をしていて3ヶ所の詰め物がとれてしまった。仕事は休めない。噛むのに不都合であったが、しばらくほっておくことになった。当然虫歯が進行し、歯肉まで調子がわるくなり、勤めていた大学病院の歯科口腔外科を受診することにした。歯はもうだめであった。虫歯の状況から抜くしかないとのことで、臼歯3本がなくなってしまった。左右の噛むバランスから慣れるまで困ったが、これでやっていくしかない。
その後10年ほどして、当地に赴任した。現在の歯科医院にお世話になるようになり、20年以上になるでしょうか。年とともに歯も歯肉も衰えるようで、あるとき、右上の残っていた臼歯が浮くような感じになったので、すぐ相談にいった。歯周病であった。痛くもないし、しみる感じもないが、噛む時に歯が浮くような感じになり、しっかり噛めている感じがない。抜けてしまうことを心配したが、治してもらった。
現在は、半年に1回定期受診を続けているが、その度に無症状の早期の虫歯が見つかったり、噛み合わせ調整もしたり、ブラッシングの指導を受けたりと、お世話になっている。40数年前に3本の臼歯が無くなってしまったが、その後は幸いに、歯の数は同数を保ち続けている。虫歯に大きな穴をあけて、詰め物をする治療は今はなされていないようだ。4本の虫歯の治療してもらった歯科医院はほどなく閉院したと聞いた。
これまでの医療経験からも、健康を保つのに歯の管理は非常に大事だと思っている。自分の歯で噛み食べることができるのは幸せなことだが、年をとるとともに難しくなることは確かと思う。定期的な歯科受診、管理、適正なブラッシングなども指導受けながら継続することが自分の歯を守るために本当に大切だと実感している。尚、11月の定期受診の結果、今後月1回受診チェックしてもらうことになった。