東日本大震災から7年
脳神経外科科長 風間 健
総合南東北病院に勤務する日は毎日、8階からわずかに見える海を眺め、今日も海が穏やかで良かった、と考えてから、仕事が始まります。2011年3月11日、千年に一度と言われる東日本大震災、津波、原発事故が起きました。当時、長野在住でしたが、とても心が痛む出来事で、以後、つねに注目しています。震災1か月後には、石巻に医療救護班として2泊4日の日程で、応援に来させて頂いています。
2015年1月からは、総合南東北病院に勤務し始め、東北復興を目指す一員として、参加させていただいています。あまり語りたくない方もいるかとは思いますが、診療中に被災した話を聞くと、何とかこの方の復興の応援をしたい、と診療に熱が入ります。
震災後7年が経過、2018年3月9日現在、死者15,895人、行方不明2,539人、震災関連死を合わせると2万2千人超となるようです。避難者はまだ7万3千人あまり、プレハブの応急仮設住宅に住む被災者は13,500人ほどと、まだ復興は道半ば、あるいは始まったばかりかもしれません。
テレビ、新聞、インターネットのニュースなどで、常に情報を収集していますが、徐々には復興は進んでいるようです。被災者向け災害公営住宅は計画の9割が完成。北海道から千葉までの太平洋側沿岸の国や自治体の津波被災した127か所の防波堤は、6月までに被災前の状態まであるいは防災力を強化した、復旧の目途がたったようです。
またこの7年のうちに、様々な応援が世界中から東北に届いているようです。なかでも「家や道路などは壊されても、たとえ体が壊されて亡くなっても、心は壊されないで済むこともできる」や、「冬が必ず春になるように、今は冬のように大変でも、頑張っていれば必ず春のような日々がおとずれる」などのような応援には大変に感銘を受け、紹介させていただきます。
「最後の1人が自分の力で立ち上がるまで応援する」という応援もあり、私自身も応援を続けたいと思っています。