ワンポイントリハビリ
肩の痛みについて
リハビリテーション科 作業療法士 伊藤 あやめ
みなさんは肩の痛みで困ったことはありませんか?今回は、肩の構造や痛みの原因、代表的な肩の病気や症状を紹介したいと思います。
【肩の構造と痛みの原因】
肩の関節は、肩甲骨と鎖骨と上腕骨(腕の骨)で構成されており、腕は胴体の肩にぶら下がるようについています。肩にぶら下がる腕を筋肉と靭帯でつないでいるため、他の関節と比べると肩の関節はとても不安定な構造となっています。そのため、重い腕をぶら下げている筋肉と靭帯には負担がかかりやすくなります。
肩の筋肉には、表面の筋肉群(アウターマッスル)と深部の筋肉群(インナーマッスル)があります。表面の大きな筋肉群は、肩を大きく動かしたり、重い物を持ったりするときに働きます。深部の筋肉群は、肩甲骨の関節面に腕の骨を引き付けておく役割があり、腕が動くときに関節周囲の筋肉や腱などの組織をはさんだり、傷つけたりしないように安定させる働きがあります。深部の筋肉の働きが十分でないと、肩の動きが安定しないため筋肉や腱などが関節に挟みこまれ、痛みや炎症を引き起こす原因になります。
【肩関節周囲炎(五十肩)】
40~60代の女性に多くみられ、肩に鋭い痛みやしびれが起こる病気を肩関節周囲炎(五十肩)と言います。加齢とともに筋肉が衰え、肩を安定させる働きが弱くなることで痛みやしびれが起こります。鋭い痛みは肩から腕にかけて感じることが多く、徐々に腕が上がらなくなります。痛みは半年から1年で自然に軽くなることが多いですが、関節が固くなり腕が上がらないなどの運動制限が残る場合もあります。
・肩の痛みが1週間以上続く
・腕が肩より上がらなくなった
・手や腕にしびれがある
このような症状がある方は専門医の受診をおすすめします。また、疑問等がありましたらお気軽にリハビリスタッフまでお声がけください。
次回はこれらの肩の痛みに対するトレーニングメニューを紹介していきます。