認定看護師コラム
がん治療と医療費の話
がん化学療法看護認定看護師 佐藤 あや
がんの治療はとても費用の負担が大きいというイメージがあります。実際、がん化学療法を行う際は、使用する抗がん剤や治療サイクルによって違いはありますが、一度に高額な費用がかかってしまうことがあります。今回は、医療費の負担をサポートしてくれる制度をご紹介します。
1ヶ月に支払う医療費の負担が一定の金額を超えた場合、それ以上支払わなくても良いという「限度額適用認定証」をご存じでしょうか。自己負担額は一定の金額となり、年齢や所得、保険種別によって設定され、年収に応じて5段階に区分化されています。加入している健康保険組合にあらかじめ申請をすると「限度額適用認定証」が交付され、医療機関窓口で保険証と併せて提示すれば、限度額以上の支払いは不要となります。
その他、支払いをした後に申請する「高額療養費制度」の利用も可能です。この場合は、一旦支払った金額のうち、限度額を超えた金額が払い戻されます。
これら2つの制度は健康保険加入者であればどなたでも申請が可能です。抗がん剤は高額であり、一度の支払いの負担が大きくなってしまうことがあるため、あらかじめ限度額申請を活用頂き少しでも医療費負担の軽減に役立てて頂ければと思います。詳しくは医療ソーシャルワーカーや、医事課職員にお尋ねください。また、厚生労働省のホームページにもわかりやすく掲載されていますので、インターネットなども有効に活用することをお勧めします。