薬局だより
成人用の薬 半分なら子供に使っても大丈夫?
薬局 薬剤師 後藤 良
子供が風邪を引いた時や診療所が休みの時などには市販薬で対応することもあるかと思います。小児用の薬は市販されていますが、普段は家に置いていない方のほうが多いのではないでしょうか。もし家に無い場合には小児に対し成人用の薬を半分にして使用したりはしていませんか?実はそれはとても危険なことなのです。成人用の薬は単純に小児よりただ体格が大きいから、量が多く含有されているとは限りません。たとえば、その薬の成分自体が小児に対し相性が悪い場合、どんなに量を少なくしても、思わぬ副作用が出現してしまう可能性があります。
人によっては大人並みの体格を持っているお子さんもいるかと思います。しかし、見た目は大人に見えても、小児は内臓や脳の構造などは未発達のため、成人よりも薬の吸収量が多くなってしまったり、逆に薬の分解や排泄がしにくかったり、成人であれば脳にまで到達しない薬が脳に届いてしまい、悪影響を与えたりする場合もあります。
成人用の薬は小児に対しては必ずしも安全性が確認されているわけではありません。正しい知識を持ち合わせておらず、自己判断で使用した際には取り返しのつかない事になる場合もありますので注意してください。小児には小児用の薬を使用し、用法の欄に成人などの記載がある薬は小児の使用は控えるようにしましょう。