薬局だより
高尿酸血症治療薬について
薬局 薬剤師 佐藤 夏美
生活習慣を改善しても尿酸値が下がらない場合には、薬による治療が考慮されます。以下に該当する場合は薬による治療が望ましいとされています。
●痛風発作を起こしたことがある、または痛風結節のある方
●尿酸値が8.0mg/dL以上で合併症のある方
※合併症…腎障害、尿路結石、高血圧、虚血性心疾患、糖尿病、メタボリックシンドローム 等
●尿酸値が9.0mg/dL以上の方
高尿酸血症治療薬には以下の2つの分類があります。
〇体内で尿酸が作られるのを抑える
…ザイロリック(アロプリノール)・フェブリク(フェブキソスタット)
〇尿酸を体の外に出しやすくする
…ユリノーム(ベンズブロマロン)・ベネシッド(プロベネシド)
尿酸値を急に下げると、それまで関節に蓄積されてきた尿酸の結晶が一気に溶けだし、痛風発作が起こることがあります。一般的に、尿酸降下薬は少量から飲み始めて、3~6ヵ月かけて徐々に尿酸値を下げて薬の量を決めていきます。痛風発作や合併症を予防するためには、尿酸値を6.0mg/dL以下にコントロールすることが重要です。また、尿酸値が下がったからといって、すぐに薬をやめてしまってはいけません。薬を飲み続けてそのまま尿酸値が低い状態を維持することが大切です。尿酸値が下がれば、関節などに沈着している尿酸の結晶が少しずつ溶けだすため、痛風発作の再発を防ぐことができます。自覚症状がない場合でも、処方されたお薬はしっかり継続するようにしましょう。