薬局だより
脂質異常症治療薬について
薬局 薬剤師 佐藤 夏美
脂質異常症治療薬には、主にLDLコレステロールを下げる薬と中性脂肪を下げる薬があります。代表的な分類は以下の通りです。
●HMG-CoA還元酵素阻害薬
リピトール(アトルバスタチン)・リバロ(ピタバスタチン)等肝臓でのコレステロールの生産を抑え、またLDLの受け皿を増やすことで、血液中のLDLコレステロールを減らします。コレステロール低下作用は強力です。
●フィブラート系薬剤
ベザトールSR(ベザフィブラート)・リピディル(フェノフィブラート)等肝臓での中性脂肪の生産を抑え、胆汁へのコレステロール排泄を増加させるので、肝臓や血中の中性脂肪やコレステロールが減少します。
副作用について
上記の分類での副作用に「横紋筋融解症」があります。骨格筋の融解・壊死により筋細胞成分が血液中へ流出してしまいます。自覚症状としては四肢の脱力や痛み、赤色尿等があります。この様な症状が現れた場合でも、原因の薬を中止し、早期の治療によって症状は改善しますので、必ず医師や薬剤師に相談してください。
薬を数ヶ月服用しても、目標値まで下がらない場合には、薬の変更や増量が検討され、数種類の薬を併用して服用することもあります。薬の効果をしっかりと出すために、また副作用を防ぐためにも、医師や薬剤師の指示通りに服用することが大切です。