薬局だより
高血圧の合併症について
薬局 薬剤師 佐藤 夏美
前回の薬局だよりでは高血圧治療薬について紹介しました。今回は高血圧による合併症についてお話ししたいと思います。血圧が高くなると、酸素を多く含んだ血液が通る血管(動脈)に負担がかかり、動脈硬化が進みます。その結果、次のような合併症が引き起こされやすくなります。
●脳に生じる合併症…脳梗塞・脳出血
脳の血管が動脈硬化を起こしている場所に、血の塊が詰まることで脳梗塞が起こります。また、脳の血管が動脈硬化を起こしてもろくなっている上に高血圧が続くと、さらに血管がもろくなり破れて、脳出血が起こります。
●心臓に生じる合併症…心肥大・狭心症・心筋梗塞
高血圧が長く続くと、全身に血流を送り出す心臓にはより強い力が必要となり、心臓の壁が厚くなるという心肥大が起こります。また、心臓に養分と酸素を送り込む冠動脈が動脈硬化を生じると、血管が狭くなったり詰まったりして、狭心症や心筋梗塞が起こりやすくなります。
●腎臓に生じる合併症…腎障害
腎臓の動脈硬化が、腎機能を低下させます。また、腎障害は高血圧を悪化させる原因にもなります。
合併症を防ぐためにも、処方された降圧薬は自己判断で中止等せずに服用し、血圧をコントロールしていきましょう。