薬局だより
高血圧治療薬ついて
薬局 薬剤師 佐藤 夏美
生活習慣の改善などにより血圧がうまく下がらない場合、患者さんの病態や検査の値をみて適する降圧薬を選択し、降圧目標の達成を目指します。降圧薬には以下の様な種類があります。
●カルシウム拮抗薬
血管を拡げて血圧を下げます。狭心症にも有効です。グレープフルーツと相性が悪く、血圧が下がりすぎてしまうことがあります。
●アンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)
血管を収縮させるアンジオテンシンⅡが受容体に結合するのを阻害して血管を拡げ、血圧を下げます。心臓や腎臓などの保護効果があります。副作用が非常に少ないのも利点の一つです。
●アンジオテンシン変換酵素阻害薬(ACE阻害薬)
アンジオテンシンⅡを作る酵素の働きを阻害して、血管を拡げて血圧を下げます。ARB同様、主要臓器の保護作用があります。空咳が主な副作用です。
●利尿薬
腎臓の水分や塩分の排出を助けて尿の量を増やすことで、体内の水分の量を減らして血圧を下げます。
●β遮断薬
心臓のポンプ機能を緩やかにさせて、血圧を下げます。虚血性心臓病への効果が大きく、頻脈性不整脈や心不全にも有効です。
●α遮断薬
血管の収縮を抑え、血圧を下げます。
降圧薬は高血圧を治すのではなく、血圧をコントロールして、正常な血圧の状態を維持するための薬です。処方された降圧薬は自己判断で中止等せずに、医師や薬剤師の指示に従いしっかり服用しましょう。