ワンポイントリハビリ
こむら返りについて
リハビリテーション科 理学療法士 佐藤 克也
寝ている間や運動中に起こりやすい「こむら返り」。皆さんも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。ふくらはぎに激痛が走り、嫌な思いをした方がほとんどだと思います。「足がつった」ともいうこの現象は、専門用語で有痛性攣縮(ゆうつうせいれんしゅく)といい、ふくらはぎの筋肉が働きすぎた状態を指します。
皆さんがこむら返りに苦しむことを減らせるように、今回はふくらはぎのストレッチ方法について、ご紹介していきたいと思います。
1.予防のためのストレッチ
こむら返りには、働きすぎている筋肉を伸ばすこと(ストレッチ)が重要とされており、日頃から行うことで予防にもなります。寝ている間に起こりやすい方は就寝前に、運動中に起こりやすい方は運動前にストレッチをすると良いでしょう。
写真1 写真2
●座って行う場合(写真1)
①椅子や床に座り、ひざをなるべく伸ばします。
②伸ばしたい足のつま先を上に向けるようにタオルで引きつけましょう。
●立って行う場合(写真2)
①壁に両手をつき、伸ばしたい足を後ろに引きます。
②引いた足にゆっくりと体重をかけていきます。
③痛くない程度に体重をかけ、踵はなるべく浮かないようにしましょう。
④20秒程度伸ばしたら一度休憩し、これを繰り返しましょう。
2.こむら返りになった時のストレッチ
ストレッチについて話をしてきましたが、突然襲ってくるこむら返りに対して、しっかりとストレッチをする余裕がない場合もあるでしょう。そんな時のために、簡単なストレッチ方法もご紹介します。
①膝をなるべく伸ばし、壁や柵などに足の裏をつけます。
②足の裏を押し付けるようにしてストレッチをしましょう。
3.注意点
●ストレッチを行う際、呼吸は止めずに楽に行いましょう。
●強く伸ばしすぎないように注意し、自分が「気持ちが良い」と感じる強さで行いましょう。
●関節の病気がある方は、医師に相談しながら行ってください。
●こむら返りが何日も続く方は、何らかの病気が隠れているかもしれませんので、一度病院を受診しましょう。