薬局だより
ピロリ菌について
薬局 薬剤師 早坂 和也
胃炎や胃潰瘍・十二指腸潰瘍の原因として、主にストレス・薬・ピロリ菌の感染があげられますが、今回はその中の一つであるピロリ菌についてお話しします。
ピロリ菌とは?
ピロリ菌の正式名はHelicobacter pylori(ヘリコバクターピロリ)といいます。〔Helico-〕はらせん・旋回を意味し、〔bacter〕はバクテリア(細菌)を意味し、〔pylori〕は胃の出口(幽門)をさす〔pylorus〕から来ており、この菌が胃の幽門部(十二指腸につながる胃の部分)から多く見つかることに由来しています。
ピロリ菌の感染率
ピロリ菌の感染率は国によって随分違います。おおまかに言えば、発展途上国で高く、先進国で低くなっています。日本人のピロリ菌感染率は先進国の中では高いほうとなっています。
ピロリ菌の除菌治療に使う薬について
ピロリ菌の除菌治療は「プロトンポンプ阻害剤(PPI と略します)+2種類の抗生剤(抗生物質)」という組み合わせで1週間ほど行なわれます。PPIは胃酸の分泌を強力に抑える働きがあります。抗生剤はいわゆる抗生物質のことで、菌をやっつける薬です。PPIを一緒に使うことで胃酸のために抗生剤が効かなくなるのを防ぎます。
※除菌の治療は途中で止めると、ピロリ菌が薬に対して耐性をもち、次に除菌しようと思っても薬が効かなくなるおそれがあるので、必ず医師の指示通りに薬を飲むことが必要です。
ピロリ菌除菌治療の副作用
多くみられるのは下痢・軟便です。他に、過敏症(発疹など)や味覚に影響が出ることもあります。治療中、体調が普段と違うことがあれば、自分の判断で治療をやめたり我慢したりせず、主治医に相談するようにしましょう。
*当院では、ピロリ菌外来を行っております。除菌ご希望の方は、外来でご相談ください。