ワンポイントリハビリ
糖尿病の運動療法 ~part2 レジスタンストレーニングについて~
リハビリテーション科 作業療法士 今野 実咲
前回、糖尿病を治療・予防していく上で必要な運動療法として、有酸素運動について紹介しました。有酸素運動は運動療法の基本となりますが、近年では有酸素運動とレジスタンストレーニングの併用が推奨されています。今回は、レジスタンストレーニングについて詳しく紹介していきます。
☆レジスタンストレーニング☆
ダンベルやチューブなどの器具、自分の体重などで負荷をかけて行う運動であり、筋肉量が増えます。筋肉量が増えることによって、インスリンの感受性が良くなり、糖の利用が増え、血糖コントロールがされやすくなります。以下に簡単にできるおすすめのトレーニングを紹介します。
●屈伸運動(スクワット)
軽く肩幅程度に足を開いて、呼吸を止めずにゆっくり行います。膝を深く曲げると負荷がかかるため、慣れないうちは浅く曲げるところから始めましょう。背筋はまっすぐ伸ばし、膝がつま先より前に出ないように気をつけましょう。また、膝とつま先の方向は一緒になるようにしてください。
●頭上げ(腹筋)運動
仰向けに寝て膝を曲げた状態で、ゆっくり頭を上げておへそを見ます。この時、呼吸は止めないようにしましょう。椅子に座って足を浮かせてそのままキープする方法でも行うことができます。自宅でテレビを見ている時などにもおすすめです。
●壁腕立て伏せ
壁に手をついてゆっくり腕を曲げ伸ばしします。二の腕を意識しながらゆっくり行います。床で行うのがキツイと感じる方におすすめです。
運動習慣のない方は10回を1セットから開始し、無理をせず徐々に回数とセット数を増やしていきましょう。また、体のさまざまな部位を使うトレーニングを数種類組み合わせて行うとより効果的です。ただし、自分の健康状態とよく相談し、筋肉や関節を傷めてしまわないよう、自分のペースで徐々に回数を増やしながら行ってください。