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宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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麻痺の回復について

院長 松島 忠夫

 脳・脊髄疾患で麻痺(力が入らない、動かない、等)が生じた場合、麻痺は治るのだろうか?または治せるのであろうか?

 麻痺の原因として脳または脊髄の神経組織が破壊されてしまった際には麻痺の改善はまず不可能となる。神経再生の研究が進んできてはいるが、現状では実用にまではまだ遠い。日常臨床で神経組織の破壊は、脳であれば脳卒中での脳出血による脳組織破壊、脳梗塞(虚血)による脳組織壊死などがある。これで生じた麻痺は治すのが困難である。

 麻痺が生じても圧迫性病変の場合は、回復の可能性がある。脳で多いのは慢性硬膜下血腫があり、CTやMRIで診断し、手術治療で回復が期待できる。しかし、時間が経過し、圧迫で神経組織が死んでしまえば手術をして圧迫病変を除去できても回復しないことがある。圧迫による症状での麻痺は、原因を早く診断して、圧迫病変を摘出または除去することである。脳出血や脳腫瘍での破壊でなく圧迫によるものも同様である。

 脊髄疾患(頚椎、胸椎部)では、疾患にもよるが、いったん生じた麻痺が手術で回復できるものがある。脳と同様に脊髄が損傷を受けてしまうと回復は困難である。外傷による脊髄損傷での麻痺、循環障害(脊髄血管奇形、脊髄梗塞、脊髄出血、脊髄腫瘍などの一部)による脊髄障害で生じた麻痺は回復が困難である。

 脊髄疾患由来の麻痺で回復例を紹介する。進行する四肢の筋力低下(四肢不全麻痺)を主訴の方、検査で頚椎椎間板ヘルニアであった。頚椎前方手術で摘出し、同部を固定した。術後症状はすみやかに改善し、独歩退院した。進行する下肢麻痺(対麻痺)を主訴に紹介で当院受診となった方。起立、歩行不能であった。胸部脊髄の腫瘍(良性)であった。追加検査を迅速に行い、受診日に入院、翌日手術で腫瘍全摘出ができた。術後リハビリを要したが、2ヶ月後独歩退院となった。

 こういった圧迫病変では、脊髄圧迫そのものによる脊髄機能低下に圧迫での局所循環障害が加わると、急速に脊髄機能が落ちる。麻痺が急速に進行するのであるが、その時点で、診断ができ、圧迫病変を摘出できれば、不可逆性の脊髄障害を免れることになる。結果を見て、『手術が間に合った』と感ずる。それでもいろんな例があるが、改善するのは全部とはいえない。一律に治せればいいのだが、生じた麻痺は、時間経過にもより、また年齢による差もあり、なかなか難しい、と云わざるをえない。

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