ワンポイントリハビリ
その杖、合っていますか?
リハビリテーション科 理学療法士 田中 尚
今回は杖の基本構造と種類についてご紹介します。
基本的に杖は以下の4つの構造からなります。(図1)
1.握り(図2)
①T字型、②L字型、③オフセット型等があります。杖は、握りの加重点と床面の支持点のずれが大きいほど不安定となり、T字型が加重点と支持点が近いために安定します。安定性は ①T字型②オフセット型 ③L字型の順です。また、手のひら全体で握ることが出来るオフセット型が握りやすいとされており、握りやすさは①オフセット型②L字型③T字型の順となります。
2.支柱
①木製、②軽合金製、③カーボン製等があります。また、構造として①固定型、②調節型、③収納型、④折りたたみ式があります。現在はカーボン製の杖が木製よりも軽くて丈夫です。また、構造としても調整型や収納型にもできる為、お勧めです。
3.杖先
①多脚杖(三脚杖、四脚杖等)②一本杖があります。歩くのが不安定な場合は多脚杖を、比較的安定している場合は一本杖を使用すると良いでしょう。しかし、多脚杖は坂道や凹凸道での使用は接地面の安定性が悪く不向きです。
4.杖先ゴム(図3)
①吸着型、②輪状型、③吸着可橈性型等があります。杖先ゴムには杖をついた際の滑り止め効果や衝撃を吸収する作用などがあります。販売されているものは吸着型や輪状型が多く一般的です。杖を斜めにつく場合や立ち上がり時の補助に用いる場合は杖先がすべりにくい吸着可撓性型のゴムが良いでしょう。
使用する方の身体機能に合わせた杖の選択をしましょう。また、その人に合わせた調整が必要な場合は担当の理学療法士にご相談ください。