薬局だより
水虫について
薬局 薬剤師 早坂 和也
どんな病気?
水虫は白癬菌というカビが原因で起こる皮膚の感染症です。多くの方が水虫といえば足の裏にできる、痒くてジュクジュクした病気だと思っているようです。しかし、実際は一口に水虫といってもさまざまな種類があり、足の裏だけでなく、体のどの部分にもなる可能性がある病気です。今回は最も患者数が多く、皆さんもよく知る足に出来る水虫について紹介したいと思います。
足にできる水虫(足白癬)の種類
・趾間型水虫
指(特に足の指)の間にできる、最も患者数が多いといわれている典型的な水虫です。強い痒みを伴ったり、皮膚がジュクジュクし、白くふやけたり、皮がむけたり、赤くむけてただれたり、腫れたりします。
・小水疱型水虫
透明でやや粘り気のある液体を含む小さな水疱が見られます。土踏まずや足の側面など比較的皮膚の厚い場所に発症し、激しく強い痒みを伴いやすい水虫です。
・角質増殖型水虫
足の裏、特にかかと付近の角質が厚く硬くなり、白い粉がふいたり皮膚表面がザラザラ・ガサガサしたり、あかぎれやひび割れのような状態になり、皮膚が剥けてくる水虫です。
うつりやすい環境・場所
★水虫の人がいる家庭内の床ほぼ全て
例え靴下を履こうともすべての部屋で白癬菌が見つかることもあるそうです。マットやスリッパなどには目がいきますが、実は患者さんが歩いた床全てが感染源なのです。感染者の足をよく洗い、可能ならば専用のスリッパを使用してもらうことが対策となります。
★犬・猫からは大量の白癬菌が
通常、手で触れた程度では白癬菌の感染度は強くないのですが、犬猫などの家で飼えるペットには要注意です。少し戯れるだけで、水虫の発生に十分な量の白癬菌がうつります。ご家庭で飼っているならば定期的に洗い、他人の家ならば、自宅に戻り次第すぐに着衣の洗濯・手洗い・足洗いをすることで対応しましょう。
★プール、温泉などでは要注意
裸足が地面に着き、なおかつ水分と温度があるプールや温泉も水虫の感染源だと言えます。足を丁寧に洗った後も脱衣所へは裸足で向かう事になりますので、家に戻ってから再度丁寧に洗いましょう。これらの場所に限らず、岩盤浴やヨガスタジオなど、裸足で歩く場所はほぼ全て感染源だと思いましょう。
治療薬
足水虫の治療は原則として外用抗真菌薬というカビを殺す塗り薬が第一選択となります。ミコナゾール、テルビナフィン、ビホナゾール、ラノコナゾール、リラナフタート等の種類があり、スプレーや軟膏、クリーム剤があります。症状がひどくなる前に医療機関を受診し、自分に合った薬剤で正しく治療しましょう。