ワンポイントリハビリ
ゴムバンドを使った下肢の筋力トレーニング
リハビリテーション科 理学療法士 山本 紋由美
寒い季節となり、外出や散歩の機会が減り運動不足を感じていませんか?
歩行の機会が減少すると、特に下肢の筋力が衰えます。下肢の筋力が衰えるとふらつきやすくなり、転倒の危険性が高まったり、関節への負担が増強し痛みが生じたりする恐れがあります。筋力を維持していくために室内で簡単にできる筋力トレーニングとして、ゴムバンドを使った下肢の運動を紹介します。
ゴムバンドとは
ゴム製のトレーニング用バンドです。ゴムの抵抗を負荷として利用し、筋力トレーニングなどを行います。一般的にリハビリで用いられているのはセラバンド(株式会社D&M)という商品です。色によって強度が異なり、全8色あります。福祉用具取扱店やスポーツ用品店などで購入できます。
ゴムバンドを使った運動のポイント
●ゴムバンドを伸ばすときは息を吐きながら、戻すときは息を吸いながら、ゆっくりと行いましょう。
●反動をつけずに行いましょう。
●ゴムバンドの強さは「ややきつい」と感じるくらいが目安です。
●ひとつの運動が4~6秒で終わるような速さで行うと効率よく筋力をつけることができます。
●いつもより強い痛みがある、関節が腫れるなどの症状が現れたら、トレーニングを中止あるいは強度を下げ、無理な運動は避けましょう。
①ふとももの前の筋肉(大腿四頭筋)
①片足と椅子の足を一緒にゴムバンドで巻きます。
②その足を持ち上げてゴムバンドを伸ばします。
※つま先を上に向けて行いましょう。
②お尻の横の筋肉(中殿筋)
①両足首にゴムバンドを巻きます。
②片足は動かさず、もう一方の足を横に開きます。
※開く方のつま先はまっすぐ上に向けたまま運動を行うと良いです。
③股関節の前の筋肉(腸腰筋)
①両方のふとももを一緒にゴムバンドで巻きます。
②交互に足踏みをします。
※上体は動かさず背筋を伸ばして行いましょう。
④ふくらはぎの筋肉(下腿三頭筋)
①片方のつま先にゴムバンドをかけます。
②セラバンドの両端を持ちます。
③つま先を下に向けてゴムバンドを伸ばします。