【宮城県岩沼市】24時間救急診療を提供できる救急指定病院。土曜診療も受付可。
宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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診療受付時間(月~土 8:30)休診日(日・祝・年末年始12/30-1/2)

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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私の山登り

院長 松島 忠夫

 秋は山の紅葉を楽しむために、春から夏は山の花を楽しむために、冬は寒さの中でも汗をかいて身体を動かす楽しみのために。

 思い出すと学生時代、自治会の一部組織が尾瀬の夏山診療班を運営していた。学年ごとに順番が回るようになっていて、その活動の中心的役割をしていたときがあった。5月連休明けに地元の係の方との連絡調整をして資材を運びこみ、夏休みの間交代で学生が泊まり込んで、ちょっとしたけがや下痢、腹痛、風邪などの対応にあたるのだ。休日はOBの先輩医師が時々来てくれる。

 当番の学生の調整が難しく、8月から9月にかけての約1ヶ月尾瀬の小屋に泊まり込んでいた。尾瀬中を歩き回り、至仏山や燧ヶ岳も登った。夜9時頃には自家発電の電気も切れて真っ暗になる。あたりも真っ暗で、天気のよい日の夜空は、実に見事な満天の星であった。天の川は見えるし、流星も時々見えるし、星の数が半端でない多さであった。天の川を実際に見たのは初めてで、なるほど無数の星が川のごとくに見え、感動したのを思い出す。大昔、星の物語が生まれたのもさもありなんと実感した。尾瀬は高山植物も豊富であった。8月には花の時期は過ぎてはいたが、多くの植物を写生したことも思いだされる。またその頃、秋にワンゲル部の同級生に西群馬の山や谷川岳に連れて行ってもらった。谷川岳は途中、天気が悪くなり雪が降ってきたため途中で中止し下山した。

 卒業後、山に登ることは久しくなかった。当地に来てから10年以上してからまた山登りを始めた。テニスやゴルフでは腰痛がおこるためであったと記憶している。山登りの案内本もたくさん読んだ。初歩のものから実践編、山の随筆、高山植物の本、等。道具も徐々にそろってきた。25Lのリュック、35Lのリュック、山用の靴、水筒、セパレーツのレインウェア、下着類、長袖のシャツ、山用パンツ、等。ツェルトとコンロも。日帰りの山登りが主である。

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 初めの頃は泉ケ岳ばかりであった。当時、泉ケ岳しか知らなかったのだ。水神、滑降、かもしか、表コース、桑沼の横を通っての北泉ケ岳コース。いずれも登った。頂上まで行くとけっこうな運動量になる。泉ケ岳の頂上から西に下りて尾根を歩いていると、がさがさと音がした。お、熊か?と立ち止まったところ、左側から白い大きなものが2頭、2mほど前をすごい早さで横切っていった。眼があった。おびえている様にみえた。大きなかもしかであった。いやー、びっくり。

 春夏秋冬と季節に関係なく登ってきた。となると冬用の装備も必要となる。滑り止めのアイゼン、スノーシュー、防寒用の下着、グラブ、ウェアなどを用意することになった。週末に雪が降ると、日曜日、コースによっては足あとなどまったく見えない。目印がところどころあるが、それがわからなくなることもある。雪が降った翌日滑降コースを登った。頂上間近に来たことはわかったが、窪地にはまり、胸元まで身体が雪に埋まった。なんとか脱出したが、頂上に行くのは諦め下山した。多分コースをずれていたのであろう。このとき、はまり込んだ窪地からなかなか抜け出せなかった。ひょっとしたら遭難したかもしれないと感じた。

 普通には日祭日の登山であるが、泉ケ岳頂上にいくと、人の密度が上がる。真冬でも頂上に着くと誰かいる。それはいろいろなコースから登ってくる人が頂上で一休みまたは昼飯を食べるためだ。時に話しかけられることがある。その中で他の山の情報が得られる。その情報をきっかけに本で調べ、新たに行けそうな山がわかる。安全で登りやすい山、花を楽しめる山、紅葉が見事な山、等等。だんだん登れる山が増えてきた。高速道を利用し、片道約2時間前後で登り口の駐車場に着ける、登りやすい人気の山に行けるようになった。秋は八幡平、栗駒山、一切経山のある吾妻連峰、安達太良山、月山。さらには霊山といったところ。秋だけでなく、毎年季節で選んで行くようになった。近場では新地町と丸森町の間にある鹿狼山。全国には紅葉の名所は多数ある。それらを見て歩くのも楽しいことかも知れない。山の紅葉は楽に見られるわけではない。登った日により、天気にも大きな影響を受ける。たまたまぴたりとあたり、見事な紅葉が見られたときは忘れようがないほどだ。数年前、安達太良山に行き、頂上から下りながら鉄山のすばらしい紅葉を見たときは幸せを感じた。昨年は雨と風でリフトは止まり、雨の中を歩いてくろがね小屋まで行ったが、雨とガスとで山は見えなかった。

 また秋が巡ってきた。今年は紅葉時期が早まったとのこと。天気がよいこととけがなく帰れることを祈る、とこの文を書いていたら、御嶽山の水蒸気爆発が起こった。上に挙げた山は多くは元火山だ。日本での人気の山は元火山(死火山、休火山、活火山も含めて)であることが多い。今回の御嶽山の噴火は予知不可能であったとされる。となると、大方の元火山では何時噴火が起こるかわからない。滑落や転倒、転落もありうる。自己責任で気をつけて登るしかあるまい。ここ何年も山は元気な高齢者ばかりだ。私も数年前に還暦を過ぎているが運動習慣として山登りを続けられればと考えている。

(平成26年11月執筆)

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