ワンポイントリハビリ
下肢の筋力トレーニング
リハビリテーション科 理学療法士 早川 雄樹
~下肢トレーニングの必要性~
下肢の筋肉は立ち上がる、歩くなどの移動動作に必要不可欠な筋肉です。特に太ももの前の筋肉(大腿四頭筋)、お尻の横の筋肉(中殿筋)は安定して歩く上でとても大切になります。それらの筋肉が低下してしまうと、日常生活の活動範囲が縮小してしまい、さらに転倒の可能性が大きくなります。
そこで、今回は足の筋力が低下しないように椅子を使った、簡単な筋力トレーニングの方法を紹介します。
トレーニング前のワンポイント
①運動前後でストレッチを行いましょう!
②運動はゆっくりと!また、運動の強さと頻度、回数を調節して行いましょう!
★運動の強さは「ややきつい」と感じるくらいが目安となります。
★運動の強さは運動の速さで調節します。ゆっくり行うことでよりきつく感じます。
★まずは10回から運動を始め、反動をつけずに行いましょう。
★調子に合わせて、1セット10回の運動を2、3セットなどと徐々に頻度を増やして行ってください。
①太ももの前(大腿四頭筋)のトレーニング
●椅子に腰掛けます
●手は縁を掴み、体を安定させます
●2,3秒かけてゆっくり膝を伸ばします
●伸ばした方のつま先は上を向けます
●余裕がある方は、伸ばしたままで5秒間止めてください
②お尻の横(中殿筋)のトレーニング
●椅子の背もたれを掴んで立ちます
●体をまっすぐにしたまま2,3秒かけて足を開き、2,3秒かけて戻します
●開いた足のつま先が外を向かないようにします
③起立(下肢全体のトレーニング)
●椅子に腰掛け肩幅に足を開きます
●膝の上に手を置きます
●お辞儀をするように体を前に傾けます
●足に体重が乗ってからゆっくり立ちます
注意点
筋肉痛が続いたり痛みがある場合は、無理をせずに回数を減らすなど、軽い運動に切り替えましょう。運動は続けることが大事です。頑張りすぎないように運動しましょう!
☆次回は肩甲帯、上肢の筋力強化トレーニングについて紹介します。