薬局だより
白内障について
薬局 薬剤師 東 宏子
先月は緑内障のお話でしたが、今月は白内障のお話をしていきます。
お年寄りの病気と思われがちな白内障ですが、40歳代から徐々に眼の水晶体はにごり始めます。早い人では、50歳代でかすみ目の症状が現れます。60~70歳代ではさらに症状が出る人が増えていきます。
どんな症状?
白内障の症状が出始める時期は老眼になる時期と重なるため、物が見えづらくなると老眼だと思い込んでしまいがちです。以下のような症状には注意が必要です。
光がやたらとまぶしく感じる
文字がぼやけて見える 視力が低下する
夜道や夕方、物が見えにくくなる
まぶしさの為に、薄暗い方が物が見えやすくなる
白内障に気付いたら…
かすみ目に気づいたらまずはかかりつけの眼科を受診し、白内障かどうか、また、他に目の病気がないかを調べてもらうことが大切です。白内障だけであれば、手術に適した時期まで経過観察でよいでしょう。
こんな病気は注意!
糖尿病………
高血糖が続くと水晶体が濁るスピードが速くなり、白内障の症状が進行してしまいます。
アトピー……
重症になると、約3割にあたる方の目に何らかの合併症が起こることがわかっています。そのうち約1割が白内障なのですが、原因は未だにはっきりしていないようです。
他の眼疾患…
もともとの眼疾患によって、水晶体が濁りやすく、濁りが促進されやすくなる為、白内障を合併しやすくなります。
治療方法
白内障の治療は、病状の進行段階によって異なります。
視力の低下や目のかすみが日常生活に支障がない段階では、ピレノキシン製剤やグルタチオン製剤による目薬が基本です。ただし、薬を使用しても水晶体が透明に戻るわけではなく、あくまで白内障の進行を抑えることが目的です。
また、白内障が進行して日常生活に支障がみられる場合には、手術が行われます。
白内障は、どんなに症状が進行しても手遅れということはありません。ただし、他の病気を併発する可能性もありますので、症状が気になったらかかりつけの眼科を受診しましょう。