【宮城県岩沼市】24時間救急診療を提供できる救急指定病院。土曜診療も受付可。
宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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大きなムカデ

消化器外科科長 三井 一浩

 私は、幼児期に右大腿骨骨折をしました。1つ隣の駅近くにある大きな病院で手術を受けました。おかげで足は不自由なく成長し、がに股ではありますが、何の支障もありません。

 その頃の思い出の一つは、自分の右腿にできた大きな肥厚性瘢痕(ミミズ腫れ状の創痕)に、その当時外国製で値段の高い「ヒルドイド」という軟膏を塗っていたことでした。自分の右腿にできた大きなムカデ(創を縫った糸の跡が多足で、肥厚した創痕が胴体に見えるんです)は自分の足の成長とともに大きくなりました。半ズボンを履いていた小学生の頃は、傷へのコンプレックスを感じたこともありました。

 時は流れ今から25年程前、オーベン(指導医)の先生から『創縫っていいぞ!!』と言われて、3-0 絹糸に大きな角針で、患者さんの開腹後の臍を中心に上下に伸びた大きな創を一生懸命縫合する外科研修医の私がいました。一週間後に抜糸をするとどこかでみたような創部がありました。でもその頃の自分には創部を、傷を、考える余裕も意識もなく、これが術後の姿なのだと認識していました。

 2年後、胆石症の標準術式であった開腹胆嚢摘出術をマスターした頃、医局の先輩の先生が大学から私の研修先の病院に来られ、なんとお腹に4つの穴を開けて腹腔鏡下胆嚢摘出術をされました。確か数例目とおっしゃっていたと思います。これが最初の腹腔鏡術との出会いでした。

 その後、東北大学の第2外科(現:先進外科)に入局し、腹部・胸部の疾患に対して内視鏡外科治療をする班に属し、勉強させて頂きました。

 いつの間にか、私は大きなムカデに嫌悪感を抱くようになりました。自分の腿によるものではなく、我々外科医が生業とする手術後の創痕に関してです。

 創が小さく目立たない、痛みが少ない、回復が早い、というのはよく内視鏡外科のメリットとしていわれています。現在の私は、腹部・胸部の内視鏡外科手術を生業としています。まあ傷がなければよいわけですが、切らなければ治りません。我々外科医(特に消化器外科医)は癌の手術をすることが多く、臓器を摘出して生命予後を改善する仕事をしています。手術だけでも患者さんへの侵襲やストレスは甚大であろうと思います。内視鏡外科手術は、この負担を幾ばくかでも軽減できるであろうと思います。それに加えて一手間を惜しまず、一生残る大ムカデが小さな?目立たない?創痕になってくれればと思って創部を縫合することを心がけています。私の腿の大ムカデは、私とともに生き、約20cmで成長は止まりました。3歳の頃の腿の長さを考えたら、大きくなったわけです。

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