ワンポイントリハビリ
下肢・体幹のストレッチ
リハビリテーション科 理学療法士 佐藤 育美
年を重ねることで筋力や柔軟性、自立神経系などさまざまな身体機能の低下が生じるとされています。また、高齢者の姿勢変化では体幹と股・膝関節を曲げた円背姿勢が多いといわれています。円背姿勢は胸や背中の筋肉の柔軟性が低下するだけではなく、股・膝関節が曲がってしまうため、足の後面の筋肉の柔軟性低下も生じ、転倒に繋がると示唆されています。そこで、今回は円背姿勢の予防として下肢・体幹の柔軟性向上のためのストレッチをいくつか紹介します。
<下肢のストレッチ>
太ももの後面
①椅子に腰かけ、片脚を伸ばします。
足のつま先は天井に向けます。
②両手を足先の方へと伸ばしていきます。
③太ももの裏が伸ばされていることを意識しながら
5~20秒(※)数えます。
④反対の足も同様に行います。
→①~④を2~3回繰り返します。
<体幹のストレッチ>
1. 胸
①背中の後ろで手を組みます。
②胸を張るように手を後ろに伸ばします。
③胸の筋肉が伸ばされていることを意識しながら
5~20秒(※)数えます。
→①~③を2~3回繰り返します。
2. 体の横
①椅子に腰かけ、体を倒す方向とは反対側の手首を掴み、腕を上げます。
②体を倒していき、体の横が伸ばされていることを意識しながら
5~20秒(※)数えます。
③反対側も同様に行います。
→①~③を2~3回繰り返します。
※注意点
●効果的なストレッチは20~30秒を数回繰り返すことがよいとされています。初めは5~10秒から始め、徐々に秒数を増やしてみましょう。体調が悪いときや、痛みを感じた場合は無理をしないようにしましょう。
●ストレッチ中は呼吸を止めず、反動をつけずにゆっくりと行いましょう。