薬局だより
薬の飲み方①
薬局 薬剤師 東 宏子
薬を飲むときに手元に水が無い、もしくは水以外の飲み物しかないという事があるかと思います。「飲み物が無いからそのまま薬を飲んでしまおう」「手元にある飲み物で薬を飲んでしまおう・・・。」今回はその考えの落とし穴についてお話したいと思います。
薬はどうして水で飲むの?
薬を飲むときに水を使うのは薬が上手く喉を通るようにするためだけではありません。
薬の成分が直接胃の粘膜に触れて胃が荒れるのを防いだり、食道や粘膜にひっかかり炎症起こすのを防ぐといった役割があります。
また、一番重要なのは水と一緒に薬を飲むことで、薬は胃の中で水に溶け、体に吸収されやすい状態になります。薬を水なしで飲むと胃の中で溶けにくく、薬の効き目も遅くなり、低下することもあるので、水で飲むようにしましょう。
水以外の飲み物で薬を飲む時の注意点
薬は水で飲むことが原則です。しかし、水以外の飲み物しかない場合、飲み合わせに問題なければ心配ありませんが、事前に薬剤師等に確認してください。
代 表 例
●お茶…大抵の場合、問題ありませんが、薬剤師等に確認して下さい。
●牛乳…一部の便秘薬や一部の抗生物質などは避けて下さい。牛乳には胃酸を中和させる働きがあり、薬の効果が低下してしまいます。
●グレープフルーツジュース
…一部の降圧剤とグレープフルーツジュースを一緒に飲むと血液中の薬の濃度が上昇し、作用が増強されることがあります。
●コーヒー・紅茶
…コーヒーや紅茶にはカフェインが含まれています。市販の風邪薬や解熱鎮痛薬、花粉症治療薬などにも眠気防止のためにカフェインが配合されており、一緒に飲むとカフェインを過剰に摂取することになり、頭痛、不眠、震え、動悸などをきたすことがあります。
●アルコール
…アルコールは多くの薬に影響を与えます。睡眠薬や抗うつ薬、抗てんかん薬、かぜ薬、花粉症治療薬などはアルコールにより薬の作用が増強して非常に危険です。