認定看護師のご紹介③
皮膚・排泄ケア認定看護師 木村 理香
当法人では、現在4分野6名の認定看護師がそれぞれの専門性を活かして活躍しています。今回は、その中の一人、「皮膚・排泄ケア認定看護師」の木村理香さんを紹介します。
皮膚・排泄ケア認定看護師を取得したきっかけ
外科病棟の看護師として、腫瘍や腸閉塞などでストーマ(人工肛門)を造設した患者さんの看護に退院まで携わってきました。しかし、退院後に日常生活の変化や体型の変化などの影響で装具が合わなくなり、皮膚障害などを起こす場合があります。そのため、患者さんが一人で悩んだり困ったりしているのではないだろうかと考えるようになり、退院後の継続的な関わりが出来ずジレンマを感じていました。退院後、安心して日常生活を送れるように支援し、様々な合併症にも対応出来るように、さらなる知識や技術の習得が必要と考え、皮膚・排泄ケア認定看護師を目指しました。
認定看護師とはどのような資格か
認定看護師とは、約6か月間の教育課程で修了試験に合格した後、さらに日本看護協会認定審査に合格し、ある特定の看護分野において熟練した看護技術と知識を有することが認められた者をいいます。皮膚・排泄ケア認定看護師は、ストーマケアを基盤として始まり、次第に創傷ケア(褥瘡、潰瘍など)や失禁ケアへと拡大していきました。
現在の活動と今後の抱負
当院には2人の皮膚・排泄ケア認定看護師がおり、私は外来に所属し、ストーマケアと失禁ケアを担当しています。ストーマ外来では、ストーマを造設した患者さんやご家族の方へ退院後のサポートをしています。退院後に起こる合併症への対処や適切な装具の選択、皮膚障害への対応、日常生活の中で困っていることなどに対しアドバイスをしています。入院期間の短縮に伴い、ストーマ外来の重要性が高まっていることを実感しています。
失禁ケアではコンチネンス外来で、排尿糞尿障害、問題を抱えている患者さんの排尿症状に対する問診や身体的評価、残尿測定、排尿日誌などにより総合的に評価し失禁のタイプを特定しています。タイプ別に骨盤底筋体操や行動訓練、薬物療法、自己導尿の指導や日常生活のアドバイスをしています。
今後も病棟や外来、地域、福祉施設など様々な関係部署・機関と連携し、患者さんが生きがいをもって自分らしい生活を送れるように援助していきたいと考えています。
皮膚・排泄ケアに関する豆知識
高齢者における排尿障害の頻度は高く、60歳以上の男女の約78%が何らかの排尿症状を有しているとされています。適切な治療方法で症状が軽減、改善する場合があります。女性の専門看護師が対応致しますので、尿漏れや頻尿などで悩まれている方は、まずは泌尿器科を受診してください。