ワンポイントリハビリ
日常生活の介助方法について ~より良い起居動作(寝返り・起き上がり)のために~
リハビリテーション科 理学療法士 岩渕 亜紀子
今回は「起居動作(寝返り・起き上がり)」についてです。いつもの介助は“無理な姿勢や態勢”になっていませんか?
○介助での起居動作方法
1.両肘をかかえてもらい、両膝を立てます。
2.肩と膝を手前に引くようにして、横向きにします。
3.起き上がる側から上体を支えます。
4.片手で頭から背中を支え、もう片方の手で膝の裏側を支えて足をベッドから下ろします。
※頸(くび)や上体が反り返っていると、起き上がりは難しくなります。
○右側に起き上がる? 左側に起き上がる?
起居動作は、仰向けの状態から“より力を出しやすい方”に寝返り、さらに起き上がれることが基本となります。たとえば、右脚の骨折の方であれば「左側」、左側に麻痺のある方であれば「右側」となります。
○起き上がり=次の場所に動くための通過点
起き上がりの多くは、“次の場所へ動くための通過点”です。
壁や窓に近づけ過ぎたベッドから、壁側・窓側に起き上がってしまうと、次の動作に移ることが難しくなります。起き上がった際に、立ち上がりや車椅子への移乗をスムーズに行えるスペースを確保できる位置にベッドを配置しましょう。
※お一人おひとりの身体の状態により、介助方法やベッドの配置が異なる場合があります。ご不明な点がございましたら、リハビリスタッフまでご相談ください。