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脂質異常(高脂血症)について
健診センター 保健師 佐藤 史穂
今回は、動脈硬化の原因である脂質異常(高脂血症)についてお話します。健康診断では、血液検査のコレステロールや中性脂肪の値から脂質の状態を調べ、脂質異常症を見つけます。脂質異常症になると血管の内側の壁にコレステロールなどが沈着し血液の通りを狭くすることがあります。この状態が続くと動脈硬化が進行し、放っておくと心筋梗塞や狭心症、脳梗塞などを発症しやすくなります。
脂質異常症の診断基準
LDLコレステロール値:140ml/dl以上
HDLコレステロール値:40ml/dl未満
中性脂肪値:150mg/dl以上
Q.検査結果が基準値より高かったです。すぐに治療しないといけないのでしょうか?
A.基準値を外れたからといってすぐに薬での治療が開始されるわけではありません。検査結果の程度によって、食事の見直しや運動習慣を取り入れることで改善する場合もあります。しかし、動脈硬化などを起こしやすい状態を疑う必要があるので、まずは一度受診し医師に相談することをお勧めします。
Q.コレステロールを下げるために生活の中でどのようなことに気をつければよいでしょうか?
A.食事面、運動・生活面で気をつけるとよいことは・・・下記を参考にしてください。
① 食事面
控えた方が良いもの | 積極的に摂りたいもの |
---|---|
●コレステロールを多く含む食べ物 卵黄、たらこ、いくら、お肉の脂身など ●糖質を多く含む食べ物 ケーキ、ジュースの取り過ぎなど ●動物性脂肪を多く含むもの バター、生クリーム、ラード |
●食物繊維を多く含む食べ物 野菜、海藻、きのこ類、こんにゃくなど ●豆類や魚類などのたんぱく質 豆類( 豆腐、大豆、小豆、そら豆) 魚(いわし、さば、かつお) ●ビタミンを多く含む食べ物 ビタミンC(イチゴ、かんきつ類など) ビタミンE(かぼちゃ、ナッツ類) |
② 運動・生活面
●日々の生活の中に、気軽にできる運動を積極的に取り入れましょう
歩行(散歩)、ラジオ体操、積極的に家事を行うなど。軽く汗ばむ程度のややきついと感じる程度の運動が効果的です。運動を継続することで脂質異常症のみならず、動脈硬化の予防にも役立ちます。
●ストレスをためない生活を心がけましょう