認定看護師のご紹介
南東北訪問看護ステーション 緩和ケア認定看護師 関澤 奈緒巳
皆さんは「認定看護師」をご存じですか? 認定看護師とは、公益社団法人日本看護協会認定の看護師認定審査に合格し、ある特定の看護分野(現在は21分野)において、熟練した看護技術と知識を用いて、水準の高い看護を実践できる看護師のことです。認定看護師は、看護現場において実践・指導・相談の3つの役割を果たすことにより、看護ケアの広がりと質の向上を図ることに貢献する役割を担っています。当法人では現在、3分野4名の認定看護師が、それぞれの専門性を生かして活躍しています。今回は、その中の一人、緩和ケア認定看護師の関澤奈緒巳さんをご紹介します。
◇緩和ケア認定看護師を取得したきっかけ
私は看護学生時代、胃がんの患者さんとご家族に出会い、人が生まれるときは幸せに包まれていることが多いのに、なぜ亡くなるときは尊厳が保たれにくいのだろうと悩みました。そのような時、当時は珍しかった緩和ケアの講義に運よく出会い、緩和ケアの道を志しました。認定看護師の資格取得は、当時勤務していた病院からの打診がきっかけです。
◇緩和ケア認定看護師とはどのような資格か
約6ヶ月間の教育課程で、修了試験を合格した後、日本看護協会認定審査に合格することで資格が取得できます。5年ごとの更新制度となっています。
主に、がんと診断された時から様々な悩みを抱える患者さんやご家族を対象とし、①痛みや呼吸困難、心理面などの苦痛症状の緩和②生き方の質(QOL)に焦点を当て、個別性を重視した日常生活への支援や情報提供③様々な喪失を体験する、患者さんやご家族の悲嘆に寄り添う「グリーフケア」など、実践・指導・相談の役割を担います。宮城県内では、13名の認定看護師が活動しています。
◇現在の活動と今後の抱負
ホスピス緩和ケア病棟に8年勤務する中で、たとえ症状を和らげることができても、自宅に帰りたい思いを言葉にできない患者さん、事情があり帰れない患者さんが多くいることを知りました。現在は、患者さんがどのように日常生活を過ごしたいか、痛みのコントロールなどの希望を確認しながら、訪問看護師として当院の在宅緩和ケアのハード・ソフト面を整える活動をしています。住み慣れた自宅で過ごすためには、症状を和らげること、そして介護疲労への配慮も大切です。様々な職種と知恵を寄せ合い、希望を実現する方法を患者さんやご家族と一緒に考えていきます。これまで、ホスピス緩和ケア病棟・がんの治療をはじめとする一般病棟、外来、在宅などに携わってきた経験を活かし、その時々で必要な緩和ケアを受けられるお手伝いを、一歩一歩形にしていきたいと思っています。