ワンポイントリハビリ
深部静脈血栓症の症状と予防について
リハビリテーション科 理学療法士 高野 玄太
長時間同じ姿勢のまま、足を動かさないでいると、足に血の塊(血栓)ができることがあります。このことを「深部静脈血栓症」と言います。いわゆる「エコノミークラス症候群」というと、皆さんも聞いたことがあるかと思います。これが生じると、肺塞栓や肺血栓といった病態を招くおそれがあります。症状としては、血栓部位やそれよりも足先の領域に疼痛、腫脹(腫れた感じ)、発赤、熱感などが見られます。
☆予防するには・・・
血栓ができてしまうと、医療機関での治療が必要になります。そのため、血栓ができないように予防することが重要になります。対策としては、足の筋活動を伴う関節運動が効果的です。以下に、簡単にできる軽い体操を紹介します。1時間に20~30回程度を目安に行ってみましょう。
(1)足の指を曲げたり広げたりします。
(2)踵を上げたり、つま先を上げたりします。
(3)足首をゆっくり右方向、左方向と交互に回します。
(4)ふくらはぎを軽く揉みます。
また、この他にも、機械的な圧迫として弾性ストッキングの装着なども有効であるとされています。
深部静脈血栓症になってから足を動かすことは、血栓を主要臓器に流してしまう危険があるため、禁忌とされています。そのため、何らかの症状が見られた際は、早めにお近くの医療機関を受診してください。