薬局だより
痔核について
薬局 薬剤師 大塚 亮
排便時におしりが痛い、おしりを拭いたときに血が付いているということはないでしょうか?
今月は痔の中でも「痔核」についてお話したいと思います。
痔核(じかく)とは…
肛門に強い負担がかかることで、肛門を閉じる役割をするクッション部分が肥大化してしまいます。痔核には直腸側にできる「内痔核」と肛門側にある「外痔核」があります。いぼ痔とも呼ばれています。
<治療薬>
痛みや腫れ、かゆみ、炎症などを抑えます。
・坐薬…肛門から挿入して、肛門内部にできた内痔核などの患部に直接届くので、効果が早く現れるというメリットがありますが、肛門内部に挿入するため、肛門の出口付近にできた痔に対しては効果があまり期待できません。
・軟膏…直接患部に塗るタイプや肛門に挿入して注入するタイプがあり、肛門の出口付近にできた痔核に効果を発揮します。
便を軟らかくする薬、炎症を抑える薬や抗生物質などがあります。
<痔を改善する生活習慣>
①便秘や下痢に注意する。
便秘による排便時の強いいきみは肛門のうっ血をきたします。
②水分、食物繊維を十分に取る。
食物繊維は便の量を増やし、腸の蠕動運動を高め便秘予防となります。
③便意を感じた時に排便し、我慢しない。
長時間のいきみはうっ血をきたすので禁物です。なるべく3分以内にとどめましょう。
④アルコールや刺激物を避ける。
お酒の飲み過ぎや唐辛子などの刺激物は肛門のうっ血をきたし、出血や疼痛を助長します。
⑤毎日入浴する。
肛門が清潔になるだけでなく、血行をよくし腫れや痛みを和らげます。
以上、痔核についてお話してきましたが、薬物治療よりも日々の食生活や排便習慣などのライフスタイルの改善が大切になりますので、ご自分の生活を見直してみてはいかがでしょうか。