薬局だより
風邪?長引く咳には注意が必要!
薬局 薬剤師 大塚 亮
9月に入りましたが、まだまだ暑い日が続いています。冷房の効かせすぎが原因で風邪を引いたりしていないでしょうか?今回は風邪の症状でもある「咳」についてお話ししたいと思います。
風邪はすっかり治ったはずなのに、なかなか咳が止まらないという方はいませんか?数週間、咳が続く場合は「咳喘息」かもしれません。
<喘息との違い>
喘息とは異なり、「ゼイゼイ」、「ヒューヒュー」といった呼吸困難がなく、慢性的に咳が続く気管支の病気です。多くは風邪に続いて起こりますが、発熱や痰などの症状はほとんどありません。咳の発作が激しい場合は、胸の痛みを感じたり、嘔吐、失神したりすることもあります。
<原因>
室内外の温度差や、たばこの煙を吸う受動喫煙、運動、飲酒、ストレスなどのほか、ホコリやダニなどのいわゆるハウスダストが発作の要因になるといわれています。
<治療>
●吸入ステロイド薬
:気管支の炎症を抑える薬です。
→フルタイド、パルミコート、アズマネックスなど
※吸入後はうがいをしましょう。
●気管支拡張薬
:気管支を拡張させて空気の通り道を広げる薬です。
→ホクナリン、メプチン、スピロペントなど(β2刺激薬)
テオドール、ユニフィルLAなど(テオフィリン薬)
*症状が悪化する場合は経口ステロイドを使用することもあります。
咳喘息の場合、抗生剤、風邪薬、咳止めなどはほとんど効果がありません。
咳喘息で咳止めを飲んでしまうと、交感神経を亢進させてしまいますので、イライラしたり、睡眠が浅くなったりしてしまいます。それによって、疲労回復が遅れ、かえって症状が長引くこともあるようです。
<予防法>
□喫煙やタバコの副流煙を避ける
たばこの煙は気管支を刺激し、咳の回数を増やします。
□アルコールは控える
お酒を飲むと、体の中にアセトアルデヒドという物質ができます。この物質は、気道を収縮させて咳を起こしやすくします。
□室内でのカビ・ダニ・花粉などといったアレルゲンを取り除く努力をする
□睡眠や休養を十分にとってストレスを溜め込まないようにする
咳喘息は自然とよくなることもありますが、約30%が喘息に移行すると言われています。また、症状が良くなったからといって自分の判断で治療を止めてしまうと再発することがあるので、数か月間は続けることが大切です。
風邪が治ったのに咳が止まらないという場合は医師に相談しましょう。