えいよう広場
食中毒の原因について
栄養管理課 管理栄養士 戸田 友里
梅雨に入ると気温と室温が上がり、ジメジメとして、細菌が繁殖しやすくなります。食品は冷蔵庫などで保管し、バイ菌を「付けない・増やさない・やっつける」を心がけましょう。今月は食中毒の原因について説明します。
*食中毒の原因は、主に3種類に分類されます。
(1)微生物
①細菌
●サルモネラ属菌(鶏肉・卵・牛肉に存在。嘔吐・腹痛・発熱・下痢)
●腸炎ビブリオ(魚介類に存在。嘔吐・下痢・血便・発熱)
●カンピロバクター(肉や生乳、動物の腸管に存在。腹痛・嘔吐・下痢)
●リステリア菌(土壌・河原などに存在。症状は発熱・頭痛などで、重症化すると敗血症を起こすこともあるため、注意が必要です。)
●腸管出血性大腸菌(牛肉・ハンバーグ・サラダなど、原因食品は多数。嘔吐・血便・発熱)
●黄色ブドウ球菌(人の手指を介して感染。激しい嘔吐・下痢)
●ボツリヌス菌(真空パックの食品・ビン詰・缶詰など。耳鳴り・呼吸困難・弱視・汗などの分泌障害など)
※食中毒の原因になる細菌は、様々な場所に存在するので、調理前・食事前の手洗いが、とても重要です!!
②ウィルス
●ノロウィルス、A型肺炎ウィルス、ロタウィルスなど
③真菌
●カビ
(2)化学物質
●スズ、カドミウム、ヒ素化合物、鉛、農薬など
(3)自然毒
①植物性自然毒
●アジサイの葉(めまい、幻覚など)
●スイセン(嘔吐・下痢)
●トリカブト(嘔吐・下痢・腹痛・手足のしびれなど)
●毒キノコなど
※最近、ニラと間違えてスイセンを食べてしまう食中毒が増えているそうです!
②動物性自然毒
●ふぐ(エンテロトキシン)フグの種類によって、毒がある部位が違うため、調理には免許が必要です。
●貝毒(テトラミン)貝毒が発生している海域貝が危険です。
●魚(シガテラ)はっきりした原因は不明。温度感覚異常・神経系の障害がみられます。