【宮城県岩沼市】24時間救急診療を提供できる救急指定病院。土曜診療も受付可。
宮城県岩沼市 社会法人将道会 総合南東北病院-救急指定病院-

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広報誌「みな・みな・ねっと」

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くも膜下出血と脳動脈瘤(1)

―激しい頭痛は放置せず一刻も早く脳神経外科へ!―

脳神経外科部長 脳卒中センター長 西村 真実

くも膜下出血とは?

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 くも膜下出血とは、脳の表面を包むくも膜と軟膜との間のくも膜下腔に発生した出血で、原因の多くは脳動脈瘤破裂によるものです。脳動脈瘤とは読んで字のごとく脳を栄養している動脈の一部が膨れて瘤のようになった状態で、生まれつきではなく、恐らく脳の動脈の壁の弱い部分が徐々に膨れてきたものと考えられています。この脳動脈瘤が破裂すると頭の中のくも膜下腔に突然動脈圧で出血するため、出血は脳の表面や隙間にあっという間に広がり、急激な頭蓋内圧上昇、髄膜刺激症状で発症します。その結果、突然の激しい頭痛(今まで経験のないようなハンマーで殴られたような激痛)と嘔吐で発症し、意識消失を伴うことがあります。

 発生頻度は人口10万人あたり10人以上で、以前は働き盛りの40~50歳代に多く発症すると言われて来ましたが、人口の高齢化とともに、最近では70~80歳台の方も少なくありません。

 発症すると、約三分の一の方が急性期に死亡し、約三分の一の方が後遺症を残します。治療が奏功した約三分の一の方のみが完全に社会復帰されるという、恐ろしい疾患といえます。

 私が高校生の頃の話です。大親友の母親がある日突然頭痛がして、歩いて近医を受診したのですが、頭の検査を受けずに頭痛薬のみ処方され自宅に帰されました。病院から帰宅した直後に突然昏倒し、あっという間に亡くなってしまったことを覚えています。当時は理解できなかったのですが、脳神経外科医になってから振り返ると、恐らくくも膜下出血だったのだろうと思っています。最初の病院で診断がつき、適切な治療により再出血を予防出来ていたらと考えると後悔しきれない思いがあります。

未破裂脳動脈瘤

 最近では、動脈瘤が破裂する前にMRIを用いた脳検診などで未破裂脳動脈瘤を発見され、未然に治療されている方も増えています。未破裂脳動脈瘤の年間破裂率は1~2%と比較的低いと言われています。検診で見つかった脳動脈瘤の大きさが5mm以上であったり、形が悪かったりした場合には治療の対象となります。治療前に諸検査をしていただいてから十分な検討のうえ、ご本人、ご家族と相談させていただき治療計画をたてます。

 次回は治療法についてご説明いたします。(3月号へつづく)

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