薬局だより
インフルエンザワクチンのお話
薬局 薬剤師 中田 真生
インフルエンザ流行の時期が近付いてきました。もうワクチンは接種されましたか?インフルエンザは発症すると自分だけでなく、周りの人にも影響を及ぼしますので、予防が大切です。お子さんや高齢の方、体力が落ちている方や持病のある方は重症化するおそれがありますので、更に予防が大切です。小さなお子さんがインフルエンザを発症した場合は大人の場合より風邪との判別が難しくなり、治療が遅れた場合はまれにインフルエンザ脳症などを発症することもありますので、注意が必要です。
インフルエンザワクチンは鶏の卵で増殖したウイルスから作られていますので、卵アレルギーの方は接種には注意が必要です。接種の場合は医師に相談の上、行うようにして下さい。ワクチンの効果ですが、一般的にワクチン接種から2週間程度で効果を発現し、4~5ヶ月位持続すると言われています。13歳未満では2回の接種を、13歳以上では1回または2回の接種が推奨されています。13歳以上で毎年ワクチンの接種を受けられている方は1回で大丈夫と思われますが、免疫が落ちている場合は2回接種した方が良いでしょう。接種の間隔ですが、4週間空けることが免疫には良いと言われています。
しかし・・・ワクチン接種でも予防は完全ではなく、予防率は約60~70%と言われています。
インフルエンザワクチン接種後に、注射した部分が赤くなったり腫れたり、硬くなったり痛みが出ることがあります。また、発熱や頭痛、関節痛、下痢、悪寒などの全身症状もまれにあります。通常2~3日でこれらの症状は消えますので、特別に処置をする必要はありません。心配な場合は医師に相談するようにして下さい。
もしインフルエンザを発症してしまった場合は、タミフルなどのお薬があります。しかし、それらの薬の多くは、発症後48時間以内に投与する必要がありますので、インフルエンザのような症状があった場合には、すぐに病院を受診するようにして下さい。