薬局だより
胃薬について~パート②~
薬局 薬剤師 中田 真生
9月号に引き続き、胃薬についてお話します。
胃薬には複数の種類があり、症状にあったものを服用することが大切です。どのような症状の場合どんなお薬が適しているか紹介したいと思います。
③胃もたれ、胃部膨満感、消化不良、食欲不振など胃の働きが弱ったとき
■健胃剤
主に漢方薬が使われています。漢方薬の持つ独特の香りや苦みなどが味覚神経を刺激し、唾液や胃液などを分泌させます。胃に直接作用して胃酸の分泌を促し、胃腸の運動を活発にもします。
<主な成分>
ウイキョウ、ケイヒ、カンゾウ、ソウジュツ、オウレンなどの漢方(生薬)成分
④吐き気などがある場合
■消化管運動改善薬
吐き気に関わるドパミンという物質の作用を阻害し、症状を改善してくれます。
<主な成分>
メトクロプラミド、ドンペリドン、イトプリドなど
⑤痛みがある場合
■鎮痙薬
胃の痛みには胃酸などの刺激により内部から痛みが出ている場合と、胃の過度に収縮や緊張による場合があります。鎮痙薬はこの過度の収縮を改善し痛みを取ってくれる薬です。
<主な成分>
ピレンゼピン、チキジウム、スコポラミン、チメピジウム、ロートエキスなど
⑥胸やけがし、酸っぱいゲップや口の中に酸っぱいものが上がってくるなどの場合
■H2ブロッカー・プロトンポンプ阻害薬
胃酸の分泌を阻害してくれるお薬です。過度に分泌されていた胃酸を抑えてくれて、症状を改善してくれます。
<主な成分>
ファモチジン、ラニチジン、ニザチジンなど(H2ブロッカー)、オメプラゾール、ランゾプラゾール、ラベプラゾール(プロトンポンプ阻害薬)など
※このような症状がある場合は逆流性食道炎などの可能性がありますので、消化器科の受診をお勧めします。
◆ひと言に胃薬と言っても多種多様の薬剤があります。お薬を選ぶ際は医師や薬剤師にご相談下さい。