薬局だより
胃薬について~パート①~
薬局 薬剤師 中田 真生
「胃の調子が悪い、ムカムカする」などを感じたら胃薬を服用することがあると思います。胃薬は病院から処方される薬はもちろん、ドラックストア等でも購入することができます。胃薬には複数の種類があり、症状にあったものを服用することが大切です。
そこで今回は、どのような症状の場合どんなお薬が適しているかを紹介したいと思います。
① 胃もたれ、胸焼けなどの場合
■胃の防御因子増強薬
胃の表面を覆っている胃粘液を増加させ、胃酸などの刺激から胃粘膜を守る働きがあります。また、損傷した胃粘膜を覆って修復したり、胃の血流を増加させることにより胃粘膜の再生力を高めます。
<主な成分>
スクラルファート、ゲファルナート、ソファルコンレバミピド、テプレノンなど
※スクラルファートはアルミニウムを含んでいる為、透析をおこなっている方は服用してはいけません。
■制酸剤
出過ぎた胃酸を中和し胃内のpHを調整してくれ、胃粘膜への刺激を抑えます。
<主な成分>
酸化マグネシウム、水酸化マグネシウム、炭酸水素ナトリウムなど
※マグネシウムを含む薬は便秘症にも用いられたりします。
② 食べすぎ、消化不良、食欲不振などの場合
■消化酵素剤
胃液や腸液などに含まれる酵素と同じような作用をもつ消化酵素からなる薬で、消化を助ける働きがあります。それぞれの消化酵素が分解できる食物の種類は限られているため、複数の消化剤が配合されていることがほとんどです。
<主な成分>
ジアスターゼ(でんぷんを分解)やリパーゼ(脂肪を分解)などの消化酵素
※ジアスターゼなどのでんぷんを分解してくれる酵素を含む場合、糖の吸収が促進されるため、糖尿病の方は少し注意が必要です。
*この他の症状に適したお薬については、次号でご紹介します。10月号へつづく・・・