薬局だより
栄養ドリンクについて~パート1~
薬局 薬剤師 中田 真生
疲れた時や眠い時、栄養ドリンクを飲むことはありませんか?でも、栄養ドリンクのどの成分が効いているか考えたことがあるでしょうか。今回は栄養ドリンクに含まれている主な成分について説明したいと思います。
① タウリン
1000mg配合!のCMでお馴染みの成分です。別名アミノエチルスルホン酸。消化作用を助けるほか、神経伝達物質としても作用します。白血球の一種である好中球が、殺菌の際に放出する活性酸素や過酸化水素の放出を抑える作用もあります。さらに、肝臓機能改善、血圧降下、総コレステロール値を下げ、善玉コレステロール値を増加させます。平均摂取量は、1日の通常の食事で約50mg~250mgとされていますが、薬理作用の効果を出すためには、1日3,000mg(3g)~6,000mg(6g)のタウリンが必要とされています。タウリンを多く含む食品はタコ、イカ、サザエ、カツオ、カキ、ホタテなどです。タウリンのみの薬理効果を期待する為に、栄養ドリンクを何本も飲んではいけません。
タウリンは医薬品としても使用されています。内服薬があり、適応症はうっ血性心不全、高ビリルビン血症における肝機能の改善に用いられます。
② ビタミンB1
別名チアミン。糖質を分解する酵素を助け、エネルギーに変えてくれます。ビタミンB1が不足すると、糖質のエネルギー代謝が悪くなり、疲れやすくなったり、さらには手足のしびれ、むくみ、動悸などといった症状が出てきます。また糖質は身体だけではなく脳や神経のエネルギー源でもあるために、ビタミンB1が不足することで、集中力がなくなったり、イライラが起こったりします。代表的な欠乏症は脚気です。水に溶けるビタミンなので、過剰に摂取しても尿に溶けて排出されます。副作用などの心配はありません。ビタミンB1を多く含む食品は豚肉、うなぎ、たらこ、玄米などです。
チアミンも医薬品として使用されています。適応症はビタミンB1欠乏症、脚気、ウェルニッケ脳症などです。注射剤や他のビタミンと複合の内服薬があります。
☆栄養ドリンクに含まれている成分はまだまだありますので、来月号で引き続きご紹介します。