薬局だより
薬の保管方法について
薬局 薬剤師 小林 正人
今回は、もうじき訪れる梅雨、夏時期の高温・多湿の状態、また今年は、震災の影響で予想される、停電時のお薬の保管方法に関して、皆さんにお話していきたいと思います。
まず、薬は高温・多湿・直射日光の3点を避け、室内で比較的温度が低く(15℃~25℃)室温の変化の少ない、お子様の手の届かない場所に保管しましょう。特に、梅雨の季節の湿気に注意が必要です。
普段携帯している薬についても、薬を車の中においておくことはやめて下さい。真夏の日中、車の中は50℃以上になりますので、特に注意してください。 さらに、薬によっては冷蔵庫での保管や遮光が必要なものもありますので、そのような場合は指示に従いましょう。また、タッパなどの気密容器に保管する場合も、薬の袋から薬を出さずに保管しましょう。薬の袋から出して保管したために薬の飲み方が解らなくなり、誤って薬を飲んでしまったということもありますので注意しましょう。
冷蔵庫保存の必要な薬
☆水薬の一部
薬によっては、冷蔵庫で保管すると固まってしまうものがあります。(例:鉄剤を含むお薬)薬剤師の指示に従って保管するようにしてください。
☆坐薬の一部
一般に、坐薬は肛門や膣に入れたときに、体温で溶けるようになっています。気温が高い時期は中身が溶けてしまうことがあります。冷蔵庫で保管する必要のない坐薬もありますが、冷蔵庫で保管することをお勧めします。
☆点眼薬の一部
「冷蔵庫など冷暗所に保管してください」とあるものは、指示に従ってください。
☆インスリン注射薬
インスリン注射薬は、凍結を避け冷蔵庫に保管してください。ただし、使用中のペン型インスリン注射薬は、結露を避けるため室温で保存して下さい。
停電等で冷蔵庫が使用不可能になった場合の対処方法
地震等により、停電した場合について、冷蔵庫は断熱構造になっているので、何時間かの間は、お薬がすぐに温かくなったりすることはありません。そのうえで、冷蔵庫の中に、ビニール袋に氷を入れたり、ケーキ等に付いているような保冷剤を使ったりすることをお勧めします。「ただし、氷は溶けやすいので、保冷剤の方がオススメです。」
また、冷蔵庫の冷気が逃げないようドアをむやみに開け閉めしないようにしましょう。
※この他にも、お薬によって保存方法がいろいろありますので、梅雨時期、夏の時期前に保存方法でお悩みでしたら、薬剤師にご相談下さい。