薬局だより
お薬の飲み忘れについて
薬局 薬剤師 小林 正人
東日本大震災で被災されました皆様に謹んでお見舞い申し上げますとともに、被災地の1日も早い復興を心からお祈り申し上げます。また、共に頑張って参りましょう。
さて、今回は、お薬の飲み忘れを防ぐ方法を、皆さんにお話していきたいと思います。まずは、お薬の飲み忘れがどうして起こってしまうか、考えてみましょう。
■お薬の飲み忘れは、次のような理由によって起こることが多いようです。
1:うっかり忘れ・・・痛みなどの自分で気になる症状があるときは、忘れることなく薬を飲むものですが、これといった自覚症状がない場合に、ついうっかり服用を忘れてしまいがちです。
2:記憶があいまい・・・多くの薬を服用している場合には、薬ごとに服用時間や服用量、服用方法が異なるなど、飲み方が複雑になり、飲み忘れが起こりやすくなります。
■次に、飲み忘れを防ぐ方法について考えて見ましょう。
1:袋などを利用して飲む時間帯ごとに分類するようにしましょう。例えば・・・朝・昼・夕・寝る前などの袋を準備して、その袋に1回分ずつ入れておくなど・・・。
2:1包化(飲む時間帯ごとに1つのパッケージにすること)する。多くの調剤薬局さんで行っています。当院でも入院患者さんのお薬は、サービスの一環で1包化しています。薬の種類が多い場合や、複数の医療機関からお薬が処方されている場合などは、医師や薬剤師に相談してみてください。
3:箱やカレンダー等を利用する。曜日ごとに、朝・昼・夕・寝る前など、飲む時間ごとの仕切りやポケットがついている箱やカレンダーが市販されています。
4:目に付く場所に置くこと。
5:タイマー、目覚し時計を利用する。例えば、食後約2時間や食後約60分に飲むものは、タイマーや目覚し時計をセットしておくと良いでしょう。
6:チェックシートを利用する。
上記の他にも、いろいろな方法がありますので、自分にあったやり方を探してみてください。
■飲み忘れに気づいてからの対処法についてお話します。
一般的に、次回服用時までの時間が、
1日1回の薬は8時間以上
1日2回の薬は5時間以上
1日3回の薬は4時間以上
ある場合は、
気づいた時点で飲み忘れた分を服用して下さい。次回の服用時間が近い場合には、忘れた分はあきらめて、次回の分から服用を続けて下さい。2回分を1度に服用することは絶対に避けて下さい。
☆上記の対策法は一般的な目安です。自分の飲んでいる薬を飲み忘れた時の対処法は、あらかじめ、医師や薬剤師に確認するようにしましょう。
最後に、正しく服用できなかった場合は、治療効果を得るために、そのことを正直に医師や薬剤師に報告するようにしましょう。お薬と上手に付き合い、飲み忘れのない様にしましょう。