薬局だより
薬の保管方法・使用期限について
薬局 薬剤師 石田 和
みなさんはお薬をどのように保管していますか?保管の仕方が悪いと、お薬が変化して効き目に悪い影響を与えることもあります。また、何年も前に病院で処方された薬をとっていたり…といった方もいらっしゃるのではないでしょうか?今回はお薬の適切な保管方法・使用期限についてのお話です。
・お薬は、高温・多湿・直射日光が苦手!
お薬は病気の治療に十分な効果が出るように、色々な化学物質を組み合わせてあります。そのため、温度や湿度が高く、日光のような強い光が直接あたる場所にお薬を置いておくと、変質しやすくなります。
一般にお薬は冷暗所に保管するのが適切です。冷暗所とは15℃以下で直射日光の当たらない場所です。また湿気を防ぐため、気密性の高い缶やプラスチック容器に入れておくとよいでしょう。乾燥剤を一緒に入れておくと、さらに効果的です。
・保管時の注意点
①粉 薬・・・
冷蔵庫に入れると、取り出した時に結露して湿気を帯びてしまう場合もあります。
②シロップ剤・・・
容器を清潔に保ち、冷蔵庫で保管します。凍らせるとお薬の成分が変わってしまうことがありますので、冷凍庫には入れないでください。
③目 薬・・・
一度開封したら冷蔵庫など涼しい場所で保管します。遮光袋が付いている場合はその袋に入れて保管しましょう。
④坐 薬・・・
冷蔵庫など涼しい場所に、とがったほうを下にして保管しましょう。
⑤インスリン注射剤・・・
凍らないように冷蔵庫に保管します。使用中のペン型インスリン注射剤は、結露を避けるため冷蔵庫には入れないでください。
☆ 保管方法について特別な指示がある場合は、その指示に従って正しくお薬を保管しましょう。
・薬の使用期限
薬の使用期限については、医師の処方せんが必要な薬の場合、使用する期限は、基本的に薬の袋に書いてある期間となります。1日3回7日分でしたら、原則的に7日目が使用期限になります。病院で処方される薬は、処方せんが発行されたときの疾患のために、またその人自身のために医師が診断し、処方されています。次に同じような病気になったときに使おう、誰かが病気になったらあげようなどと、古くなった薬をいつまでも取っておくことは絶対にやめましょう。
以上のように、薬は処方された用法・用量をきちんと守って服用し、保管方法・使用期限もしっかりと守り適切に使用するようにしましょう。