放射線科(医療被ばくについて)
医療被ばく低減の取り組み
放射線科では、放射線診療(診断・核医学分野)で使用する放射線量の適正化を、われわれ診療放射線技師が責任を持って実践するよう、2020年に医療被ばく研究情報ネットワーク(Japan Network for Research and Information on Medical Exposures:J-RIME)によって公表された医療放射線防護の最適化のための診断参考レベル(Diagnostic Reference Level:DRLs2020)を参考に、X線検査(単純・造影)、IVR、CT検査、核医学検査において、合理的に達成可能な限り被ばく線量を減らして検査を行う取り組みを行っております。
医療被ばく相談
当放射線科には放射線管理士がおります、医療被ばくで疑問を感じる方はご相談下さい。なお、日本放射線技師会、宮城県放射線技師会でもメール等にて相談を受け付けております、ぜひご活用ください。
一般撮影
検査名 | 診断参考レベル(mGy) |
頭部(正面) | 2.5 |
頸椎(正面) | 0.8 |
胸椎(正面) | 3.0 |
胸椎(側面) | 5.0 |
胸部(正面) | 0.3 |
胸部(検診) | 0.2 |
腹部(正面) | 2.5 |
腰椎(正面) | 3.5 |
腰椎(側面) | 9.0 |
骨盤(正面) | 2.5 |
乳幼児の胸腹部
検査名 | 診断参考レベル(mGy) |
乳児胸部 | 0.2 |
幼児胸部 | 0.2 |
透視検査
検査名 | 基準空気カーマ(mGy) | 面積空気カーマ積算値(Gy㎠) | 透視時間(min) | 撮影回数(回) |
食道・胃・十二指腸造影(検診) | 89 | 29 | 6 | 21 |
イレウス管挿入 | 150 | 47 | 28 | 6 |
大腸造影 | 130 | 46 | 11 | 27 |
逆行性膵管胆管造影(ERCP診断) | 93 | 26 | 14 | 12 |
逆行性膵管胆管造影(ERCP治療) | 170 | 36 | 17 | 13 |
腰椎神経根ブロック | 49 | 9 | 3 | 2 |
気管支内視鏡 | 38 | 8 | 8 | 1 |
嚥下造影 | 30 | 17 | 5 | 5 |
基準空気カーマはJIS Z 4751-2-54で定まられている透視装置の患者照射基準値での入射線量(後方散乱含まず)
マンモグラフィ
平均乳腺線量 2.4mGy
※日本乳がん検診精度管理中央機構が行っている施設画像認定にて行っている線量評価のデータより95パーセントタイル値を採択
X線CT
成人CTの診断参考レベル
検査名 | CTDIvol(mGy) | DLP (mGy㎠) |
頭部単純ルーチン | 77 | 1350 |
胸部1相 | 13 | 510 |
胸部~骨盤1相 | 16 | 1200 |
上腹部~骨盤1相 | 18 | 880 |
肝臓ダイナミック | 17 | 2100 |
冠動脈のみ | 66 | 1300 |
※標準体格は体重50~70kg
※肝臓ダイナミックは、胸部や骨盤を含まない CTDIは全相の平均、 DLPは検査全体
※冠動脈のCTDIは本スキャン、DLPは検査全体
小児CTの診断参考レベル
部位 | 1歳未満 | 1~5歳 | 6~10歳 | |||
CTDIvol (mGy) |
DLP (mGy㎠) |
CTDIvol (mGy) |
DLP (mGy㎠) |
CTDIvol (mGy) |
DLP (mGy㎠) |
|
頭部 | 30 | 480 | 40 | 660 | 55 | 850 |
胸部 | 6(3) | 140 | 8(4) | 190 | 13(6.5) | 350 |
腹部 | 10(5) | 220 | 12(6) | 380 | 15(7.5) | 530 |
※16cmファントムによる値を示し、括弧内に32cmファントムによる値を併記した
IVR
透視線量率 17mGy/min (IVR基準点線量率)
※日本血管撮影・インターベンション専門技師認定者および受験者が在籍する施設の全装置の測定値の87パーセントタイル値を採択
核医学
検査及び放射性薬剤 | 成人の投与量 [MBq] |
腫瘍:18F-FDG | 240 |